「まったく、ナンパし過ぎて頭がおかしくなりそうだ。」





横浜 22:45



daiceは毎日同じ場所で同じくらいの時間に横浜の街に向かって歩いて行く。

同じ場所で同じ事をするっていうのに毎回ウイングを務める相方は違う男だった。

今日の相方は小学生時代からの同級生で親友だった。

「daice、俺は1ヶ月前に彼女に振られたんだ。GW に帰ってきたら、ナンパしよう。」

彼はナンパ師ではないが、daiceがナンパをしている事は学生時代から知っていたし、遊びでナンパをした事は何度もあった。
彼はPUAメソッドは知っていた。
さらに前日にもその彼と同じ場所でカラオケ連れ出しとBAR連れ出しを行なっており、パターンは既に把握していた。
実際、某上場企業で社内表彰をされているような男なので、自分を売り込むスキルや、コミュニケーション能力には申し分なかった。

daiceの周りには彼女が出来てナンパを辞めるという男がいると思えば、彼女と別れたからまたナンパしたいという男など、入れ替わりに次々とに集まってくる。

今日はGW の8日目の土曜日の夜だ。
かれこれもう5.6回は街に出ただろうか。
しかし10連休のGW というのに即という結果がまだ出ていなかった。
正直焦りはあったし、10連休が終わりが近づいていくにつれて、自分自身の気持ちが下がってくる。

また仕事が始まってしまう。
でもまだ今はGW だ。

この2つの交差する気持ちを紛らわせるかのようにdaiceは無我夢中でナンパをした。



この日、既に一度24歳の2人組を居酒屋からのカラオケに連れ出し、セパレートグダで負けて放流し、街を歩いていた時だった。

まだ街は死んでおらず、酒の入った人々が楽しそうに歩いている。

前方に飲み終わりのような2人組がゆっくりと歩いていた。

「やぁやぁ、今日はパーティでもしてたのかい?」

daiceは後ろから半歩ほど追い越してから、振り返りながらミリオンダラースマイルを駆使して、声を掛けた。

「パーティではないけど、2人で飲んでたの。」

2人は笑顔で応えてくれた。
反応は良い。

2人は九州出身24歳の幼馴染で、2人で上京し、こっちで暮らしていた。

医療事務子レベル6
フリーター子レベル1

医療事務子は細くて、髪もロングでかわいい。
しかしフリーター子はデブでブスだった。
レベル1をつけるほど。

2人は馴染みのBARに連れ出しが決まった。
今回、時間制限もしていないのにあっさり付いてくるところに精神的な隙間があるようにdaiceは感じていた。
もしかすると即系ではないだろうか。
今までのdaiceの経験を脳内で検索してみても、そのような時間管理にも緩いタイプは自己管理も甘い傾向にあるし、髪の毛もボサボサで肌も少し荒れているところを見ても、生活が荒れているように思えた。
パッと見では清楚系で通しているだろうが、daiceの感覚的には所々に感じるものがあった。







23:00 BAR


4人は各自カクテルを頼み、運ばれてきたグラスを持ち上げて重ねる。

「出会いに乾杯」

この10日間のGW だけで、何人の女達とこの掛け声でグラスを重ねたのか、もはや数えきれなかった。
また今回も同じ話を同じように話していくだけだ。

2人共彼氏はいない。
特にめぼしい男もいない。

「でもさ、彼氏がいない間に何もなかったって事はないだろ?例えば事故とか、まさかゴールド免許?」

「ゴールド免許ではないかな...w」

2人共、付き合ってなくてもヤるという事がわかった。
明日も仕事はない。
この条件で、他の男が抱けて我々に抱けない理由がなかった。

「ダーツでも行こうか」

daiceが提案した。
ダーツのほうが彼女らの反応が良かったし、カラオケでもダーツでもやるべき事は変わらない。

4人はお会計を済ませて再び夜の繁華街に飛び出した。








ダーツバー 24:00

4人を乗せたタクシーは夜の街を颯爽と走り抜けてダーツバーの目の前に停止した。
ダーツバーの中は南国のリゾートをイメージした作りになっており、BGMも常にクラブミュージックがかかっており、気分的にも開放感がある。
作りの半分がダーツであと半分はビリヤードが出来るのだが、終電間際の時間に関わらず人は入っていた。
真ん中にバーカウンターがあり、そこに酒を頼む仕組みだ。

レッドブルウォッカを4つ頼み、乾杯した。

「チーム戦でやろう。負けたチームがテキーラを飲む。いわゆる負けテキだ。」

daiceが提案した。
他のメンバーが了承し、ゲームがスタートした。

最初daiceは4連敗を喫し、4杯連続でテキーラを飲んだ。
このまま負け続けていたらdaiceが酒に飲まれてしまう。

だが、なぜかフリーター子とチームになる事が多く、彼女はやる度にダーツが上達していった。

彼女とのペアが連続で続き、連続で親友と医療事務子にテキーラを飲ませる事が出来た。

場は完璧に盛り上がっていた。

その後daiceはダーツに負けなくなり、医療事務子とペアになった時に「真ん中に当てたらキスしてな」と言い、真ん中のブルに当てた。

そして彼女からのキスを頰にもらった。

医療事務子の彼女は何度もテキーラを飲み泥酔し始めており、その度にフリーター子が「大丈夫、私が必ず連れて帰るから」と言って慰めていた。

まぁそれは当然だろう。
友人の泥酔している女の子をみすみす持ち帰られているのを許可するはずがない。

友人の彼はフリーター子を抱く事は出来ないと言っていた。
それも当然だろう。
一般男性が抱きたくもないレベル1の女を抱くのには相当な覚悟がいるし、抱く必要もないのだから。

daiceは決めた。
彼が医療事務子にセパレート打診して、断られたらdaiceが攻める。
ただ彼のセパレート打診を了承した場合は、daiceがフリーター子(レベル1)を抱こう。


daiceはPUAだ。
即に対してはコミットしなければならない。
それが例え相手がレベル1であろうと、コンビ即が出来るならば。


「そろそろ出ようか」

時計を見た。
4:00を回っていた。

4人はダーツバーの目の前で親友の彼がセパレート打診をした。

「俺は医療子と今から2人で飲み直したいんだけど、どうだい?」


















daiceの明暗も分ける彼女の反応はいかに。




















「えー、でもフリーター子と帰らないと...。」



















(兄さん、あなたの勝ちです。
daiceがフリーター子を抱きます。涙)















「おいおい、フリーター子は俺と飲みに行くんだからそういうのやめてくれる?」


daiceは彼女(フリーター子)と手を繋ぎ、医療事務子と友人にその姿を見せつけた。
フリーター子は満更でもなさそうだった。



「それならいいけど...」
医療事務子は友人に連れられて2人で繁華街の方向に消えていった。



取り残されるdaiceとフリーター子の2人。
「じゃあ私達はどうするー?」
彼女は満面の笑みでdaiceに聞いてくる。



ずっと医療事務子との即をイメージして、ここまでゲームを続けてきた。
そして最期のセパレートも成功した。
あとはお互いホテルに入って即るだけだ。


だが目の前にいるのはレベル1。
体重は90キロくらいあるのではないだろうか。
体だけではなく、顔のレベルも1だった。
何度も彼女を置いて帰ろうかと悩んだ。

でもdaiceが帰るとフリーター子が医療事務子に連絡をして、友人に迷惑を掛けてしまう可能性がある。
daiceはやるしかなかった。



「ここで解散するか、ホテルで寝るかの2択しかないよ。でも俺はキミと一緒にいたい。」

daiceは泣きそうになるのを必死に堪えながら、真剣に彼女の目を見ながら言った。

「えー、絶対に寝るだけだからねぇ?」

彼女は元気に世界一どうでもいい形式グダを言ってきた。

その言葉を軽く受け流して、手を繋いでdaice達はホテルに向かって歩き出した。








ホテル  4:30


彼女はホテルの部屋に入ると、シャワーも浴びる気もなく、歯も磨かずにベッドにヘッドスライディングしていた。


念願の即を出来るチャンスが目の前にある。


もう一度ベッドの彼女を見た。


白く整えられたベッドのシーツの上には大きいアザラシが転がって、こちらを見ていた。



IMG_1931
※画像はイメージです。


daiceは覚悟を決め、彼女の待つベッドに入った。



そして彼女を抱きしめて、キスをした。


うっ、口がくせぇwww
こいつ夜ご飯にニンニク食ってきやがったな。
彼女のキスはニンニクの味がした。

「もっとキスして。」

彼女はやたらとキスを求めてくる。
daiceは吐きそうになるのを堪えながら、そのニンニク臭い口に何度もキスをした。
そして肉の塊のような胸を揉む。
貧乳だった。
「小さくてごめんね。」
彼女は申し訳なさそうに言った。
実際太った男の胸を揉んでいるような気分になった。




大量に飲んだ酒のせいなのか、彼女を性的な対象として反応していないのかわからないが、daiceのフェルナンデスは彼女がいくら刺激を加えても無反応だった。


「全然立たないじゃん、全然立たないじゃん、全然立たないじゃ〜ん。」


彼女は5秒に一度このように叫んでくる。
その声のデカさと急かされる事で逆に萎える。

「ちょっとしばらく何も喋らずにフェラーリしててもらえる?」


彼女の事を考えずに目を瞑って、他の女性の事を必死に想像した。




LIP SLIME
楽園ベイベー feat daice



Yo!!
ハデな化粧 ブタと決闘
即のパッション ペイ アテンション
文句しかない シチュエーション
太い体に貧乳がモチベーション
イチかバチか 豚でも抱いてみませんか?
みんなSay What!!(WHAT!!)
外に出れば ホラ スト高
ニンニクの香りの日で 今Suntan
What's the time? It's SOKU time
だろ 肉にふれて 気持ちがドーン下がる
医療事務子 連れ去ったあの親友に
ボヨンとくる 思い出とベロチュー
贅肉の塊に
ただ身をまかせてみませんか?
みなSay What!!!(WHAT!!)
むきだしの肉の塊はOPPAI
なぜか俺の横にはアザラシ!




















立った!!


5秒でゴムを装着し、彼女にin。


即!!!!


そして、彼女の中に入った瞬間にdaiceのフェルナンデスは元気を無くしていた。

1ピストンで諦めた。


そして彼女に飲み過ぎて立たなかったと伝えて、謝った。


いつのまにか眠りについていたが、7:00に彼女に起こされた。
帰る支度をして、彼女にお礼を伝え、解散した。


daiceは眩しい朝日を浴びながら帰路に着いた。





友人も無事に即れたとの報告を受けた。
友人とも楽しいGW の思い出が出来た。
この日の出来事は一生忘れないだろう。
daiceはナンパ師になった事で、レベルの高い女の子を落とす事も出来るようになってきたが、同時にレベルの低い子も抱く事が出来るようになってしまった。
(こんな事、ナンパ師にならなければ絶対に出来なかっただろうな。)



2019年8即目
2018年12月26日のナンパ再開宣言から10即目