2015年12月

「あと5分で着いちゃう。大丈夫?」
彼女からのLINEを見たのはレストランを予約した1時間前だった。
「了解。〇〇の入口に集合で。」
daiceは既にカフェで読書をしていたため、その打診を受け入れることにした。
本来ならホテルから逆算して、待ち合わせ時間を設定し、全て計算通りに行動するのがお決まりとなっていた。
しかし同じパターンでのデートにも飽き飽きしていた部分もあり、成り行きに任せても大丈夫なのではないか?という疑問も浮かんでいたため検証してみることにした。
保育士のミキ(偽名)は不安そうな表情でやってきた。
「やぁ、ミキ。歯医者お疲れ様。」
daiceはミリオンダラースマイルをぶつけた。
彼女は不安そうな表情から笑顔に切り替わった。
女性を安心させるのは簡単だ。笑顔で彼女の目を見てあげればいいのだから。
歯医者だったことは先日電話で話したため、知っていた。
ちなみにアメリカのPUAのミステリーによると電話で1時間話すことは1時間和むことと同じ価値があるとされている。
さぁこれから予約までの1時間どうするか。
今日はその場での思考、判断で行動する。
歩きながらカフェを横見するも、混んでいる。
土曜日の今日、横浜駅は活気がある。
普段以上の人々がネオンの宿る街を行き交い、そして吸い込まれていく。
「BARで食前酒を飲んでいこう。」
ミキは承認した。
BARに入店し、ビールとピーチカクテルを注文した。
彼女は保育士の21歳だ。
小さめの身長に細身のシルエット、全身白のニットとスカート、マフラーだった。
若干幼い顔立ちだが、髪の毛は艶のある黒の巻き髪で大きな瞳はなかなか魅力的だ。レベルでいえば7くらいだろうか。
街で隣に連れて歩いても特に劣等感は感じない。
彼女とは町田でナンパして出会った。買い物ルーティーンで勝手について行き、カフェ連れ出しをした後、また後日ということで番ゲをして別れた。
その際、連れ出しすることも番ゲすることもなかなか難しかった。
今日が厳しい戦いになることは感覚として感じられていた。
BARでの1時間は元彼との未練や、ミキの友達の悪口をされたことにより、daiceの中で恋愛対象から外れた。
これで邪念に捉われることなく、口説くことができる。
「そろそろ行こう。」
daiceとミキはBARを出て、すぐ近くのレストランに入った。
一番奥の席に案内された。
「乾杯。」
かちんとグラスが重なる音と共に2杯目のビールを喉に流し込む。
いつもと違うことは既に連れ出し、尚且つ電話、BARをしていたため、新たに話すことがあまりない。
職場、趣味、恋愛への価値観などを聞き出して、適当に相槌を打つ。
二軒目でカラオケか満喫に行くつもりなので、その話題を出して種を蒔いておく。
おそらく彼女も退屈な食事だったに違いない。
お会計を済ませた。
「悪いけど二軒目は割り勘にしてもらうよ。」
この一言で二軒目に行くことが決まった。
外に出るとだいぶ冷え込んでいた。
彼女はお酒に強いようだ。全く酔っていない。
彼女は二軒目に行く場所をカラオケ、満喫、BARの全てを否定してきた。
「ねぇ、その辺散歩しない?私歩くの好きなの。」
ミキはそう言ってきた。
彼女はdaiceに何を求めている?
俺は何を提供すればいいんだ?
彼女には常にアッシー君、メッシー君が存在するなど、承認欲求が強いと感じられた。
いつも追われる立場なのだ。
時計を見るとまだ21:00だった。
「帰ろう。」
daiceは冷めた表情で遠くを見ながらそう言った。
相手に主導権を渡すわけにはいかない。
「えー、わかった。もう反論しないからdaiceくんが決めて。」
彼女はハッとしたように一瞬悩んでそう言った。
そのまま彼女を連れて漫画喫茶に入店した。
入店し、2人で壁に座り込み何分経っただろうか。
性に対する価値観を引き出す。
「私は付き合ってないと絶対にそういうことしないからね。」
「あっそ。」
彼女の心にはそのような信念があるようだった。
「キミは本当は甘えたいタイプだよね。」
【甘えさせるルーティーン】
そう言って抱き寄せる。
「このほうが安心しない?」
彼女はこくっと頷く。
「自分のキスに点数つけるなら何点?」
【キスの自己評価】
わからない、と悩んでるうちにキスをする。
そのまま倒れ込み、ギラつく。
「やめて...」
「わかってる。やめなきゃ。」
と言いつつ、ギラつき続けた。
その後押して引いてを繰り返したが、なかなか進まない。
「私、いくら好きな男でも付き合ってないと絶対にやらないの。」
彼女の信念を曲げることは不可能だと思えた。
「出会えて良かったよ。ありがとう。そろそろ帰ろうか。」
時刻も23:00を過ぎていた。
daiceはそう言いながら最後にキスをして、身支度を始めた。
彼女は一瞬萎れた顔を見せた。
2人は外に出た。
手を繋いで彼女を改札まで送る。
彼女は強く握り返していた。
むしろ別れ際にdaiceが手を離そうとしても小指だけ握り続けてくるような状態だった。
「俺から誘わないからさ、次はキミが誘ってよ。」
「私も自分から誘わないの。」
「それならさよならだね。」
「わかった。私から誘うから。だけど私から誘うことがどれだけ貴重なことかよく考えてよね。」
そう約束して、笑顔で解散した。
最近のdaiceは結果が出ない。
猫紐理論が足りない。
大きなギャンブル的な引きに頼りすぎ、細かい押し引きが下手だ。
そして全てが雑だった。

※結果から申しますと、この記事では準即できませんので、そのつもりでお読みください。
ロングストーリーですので、ご注意下さい。


終電前2分間の攻防〜13歳歳上の女〜
この記事の続きです。






12月後半。
今年も残り1週間と迫っていた。
世間は忘年会、クリスマスとイベントが続き、そわそわしている人が多いこの頃。
クリスマスにワクワクしている人、そんなもの関係ないといいつつ憂鬱な気持ちでいる人の2通りの人種が存在する。
daiceは時計を見るともうすぐ0:00を過ぎる。
daiceはコートを羽織り、千葉行きのJR常磐線に乗っていた。
まばらに座る、飲み会帰りのサラリーマン、仕事帰りらしい人々が気怠そうに座っている。
JR京浜東北線で横浜から上野に行き、常磐線に乗り換えた。
ケータイを見ると彼女からのLINEが入っていた。
「まだ飲んでる〜〜?
私、もう仕事上がろうかと思ってるんだけど…どんな感じ?」
daiceは忘年会で千葉に行くという設定になっている。
でなければ、このクソ忙しい時期に飲み屋の女性を誘うのは難しい。
彼女と合流した。
連絡が来ていたのでわかっていたが、彼女は職場の後輩の女を連れてきてしまっていた。
レベル5、25歳、彼氏いない歴=年齢というデータだった。
要するに今夜はデートではない。
3人での飲み会だ。
しかし、3人目の女性はいつか帰るだろう。そう思った。
簡単な自己紹介を済ませ、3人で歩く。
アットホームなバーに入った。
daiceはビール、美魔女はチリ産の白ワイン、3人目の女性は...何を飲んでいたのか忘れてしまった。
3人の飲み会になってしまった以上は、この飲み会でもdaiceの最大限のパフォーマンスをしなければならない。
3人均等に話を振り分けながら展開した。
ここでわかったことは、美魔女は35歳ではなく、38歳だった。
3人目がいる以上は、口説くことなどできない。
それぞれ4杯目に突入した辺りで、時刻は3:00だった。
「そろそろ移動しよっか。」
美魔女が言った。
お会計は彼女が3人分支払ってくれた。
本当に素晴らしい人間性だと思う。
店を出ると美魔女がdaiceの腕に手を回してきた。
IOIサインを確認した。
次は本格的なBARに入った。
バーテンダーなどはしっかりと蝶ネクタイに身に付けていた。
カウンター席に美魔女を中央に3人並んで座った。
3人目の女性はこのタイミングで帰らなかった。
3人で下ネタも混ぜながら会話をした。
だいぶ盛り上がっていた。
いかつい金髪の大柄バーテンダーがdaiceのことを良いと思っていないことはすぐに感じられた。
元々、美魔女は常連であり、知り合いであった。
38歳の綺麗な大人の女性が22歳の大学生、つまりクソガキを相手にしていることが気に食わないのだろう。
「きみ、若いね。何歳ですか?」
金髪の大柄のバーテンダーが聞いてきた。
これはIOIサインではない。
「22歳ですよ。」
さらっと答えた。
「22歳って原付の免許取れるくらいの年齢ですよね?」
バーテンダーは皮肉気味にそう言ってきた。
「原付って免許必要でしたっけ?」
daiceは表情を変えずに言い返した。
その後も何度か皮肉気味に会話をしてきたが、daiceのほうが上手だった。
話せば話すほど大柄バーテンダーは自己アピールとdaiceの価値を下げる発言を繰り返す。その姿は惨めだった。
daiceは自己アピールをしない。
背筋を伸ばして、余裕のある笑みを作って受け止め続けた。
「なんかdaiceくんがすごく大人に見える。」
ふふっと笑いながら美魔女は言った。
daiceが今年1年間ナンパを繰り返し、構築してきた自信は本物だった。
そこらの男には負けない自信がある。
それが例え社会人だとしても。
今、この店に本物の美女である彼女といるのが22歳大学生のdaiceである事実がそれを証明していた。
時計を見た。
時計の針が6:30を指していた。
始発はもう出ている。
「そろそろ帰るよ。」
daiceはそう言った。
お会計を3人で支払い。
駅に向かって、歩いた。
3人目の女性が駅の改札前で別れた。
彼女はタクシーで帰るらしい。
電車で帰るdaiceと美魔女が駅の改札を通った。
この時、今日初めて美魔女と2人きりになれた。
ここしかない。そう思った。
「今から2人だけで秘密の3次会しよう。」
え?という風に一瞬驚いた表情を見せた美魔女は一息ついて、「そうね。」と承認してくれた。
1度入った改札を2人で出た。
今さっき3人で歩いてきた道を今度は2人で戻る。
ハンドテスト。
会話中に彼女と手を繋ぐ。
拒絶はなかった。むしろ握り返してくる。
ホテルに行こうかと思ったが、場所がわからない。
「カラオケにする?」
彼女からカラオケ打診されることに驚きつつも、daiceは承認した。
カラオケの個室に入り、お酒を頼み乾杯した。
「少し早いけどメリークリスマス。」
そうだよね、クリスマスだもんね。と彼女は笑っていた。
daice主導の会話。
身に付けたスキルは裏切らない。
「やっと2人になれたね。彼女ね。勝手についてきちゃったの。何回も帰っていいよ。って遠まりに伝えたけど鈍感だから気がつかなくて。邪魔者がいてごめんね。」
彼女はそう言ってくれた。
「今夜ずっとキミに触れたいと思ってた。」
daiceはそう言って抱き寄せた。
【触れたかったルーティーン】
「触れたかったか...daiceくん、面白いこと言うのね。」
彼女は感心したような言った。
ありがとう。と返したdaiceに彼女は笑っていた。
彼女はそのまま身を委ねてきた。
「歳下2人を連れてたから気を張ってたと思うし、疲れちゃったでしょ。今はリラックスして甘えていればいい。」
【甘えさせるルーティーン】
「歳下だけどさすがにドキドキするね。でもすごく安心する。」
彼女が笑い気味にそう言った。
「美魔女ってさ、自分でキスに点数つけるとしたら何点なの?」
【ルーティーン・キスの自己評価】
「んー、わからないよ。じゃあ逆にdaiceくんは何点なの?」
そう聞き返してきた。
「10点かな。」
daiceはそう答えた。
彼女は「すごい自信ね。」と笑っている彼女にそのままキスをした。
彼女は受け止めた。
「ふふっ、10点。」
彼女は顔を火照らせながらそう言った。
このキスはかなり興奮した。
16歳の頃に横浜の海の公園で彼女と初めてのキスをした時と同じくらい興奮を覚えた。
22歳の大学生が38歳の綺麗な女性をついに口説いた瞬間だと思った。
彼女は今だに水商売をしており、多くのファンがいる。
元彼や元旦那はトップセールスマンや、経営者ばかり。
車は高級車が当たり前だったと言っていた。その中にお金も肩書きも持っていない大学生のdaiceが食い込んだ。
何回かキスをし、胸に触れた。
拒否はない。
「場所を移動しよう。」
そう言って時計を見た。
8:30だった。
さすがに時間がなかった。
「daiceくんの就職までにあと2回は会おう。今日は甘えさせてくれて、ありがとう。2人の時間がすごく新鮮で心地良かったよ。」
彼女はそう言ってくれた。
2人で手を繋いで駅で解散した。
カラオケではなく、そのままホテルに行けば良かったかもしれない。
でも、そんなに急ぐことはない。
限られた環境の中でのdaiceのベストパフォーマンスだった。
少なからず自信に繋がった。
次だ。次こそは必ず。

声掛けテンプレ①
(実体験を綴っております。)


本屋で女性誌を立ち読みしているターゲット。
レベル6.5


横から歩いて行き、斜め45度の角度から声掛け。


「やぁ。この店でスリッパ探してるんだけど知らない?」


目が合う。
ミリオンダラースマイル。


「ふふw 知らないですw」

知ってるはずがない。
なぜならここは本屋。
しかし、この反応でイケる案件だと確信した。


「ちなみに叩く用のやつなんだけどさ。キミそういうの詳しそうな顔してるじゃん。」


軽いネグを混ぜる。


「www」


「え、キミとかこの雑誌のほうが似合うよ。」
(キャリーパミュパミュ的な派手な雑誌を差し出す)



「いや、大丈夫です。」



「ところで仕事帰りなの?バイト?」



「仕事です。」



「ほー。焼肉屋でバイトしてる人かと思ってたわ勝手にw」



「どういう意味ですか?w」



「いや、いい意味でw
てことは24歳くらい?」



「ハタチです。」



「ハタチなんだ。若いね。」



ここでマスクをしたおばさんが俺がナンパだと気付いたようでターゲットの隣に来て聞き耳を立てている。


野次馬BBA
レベル3


たまに笑っていて目が合うが、それがターゲットにはバレていない。
かなりうっとおしい。
もはやdaiceにプレッシャーをかけてきているのがわかる。
明らかに近い。
ターゲットの横に付いてピタリとくっついている。
ナンパに嫉妬してるのだな。
かわいそうに。
ナンパされたことないのだろう。
見とけBBA。ゆけdaice。


「てか40分後に友達と待ち合わせしてるからあんまり時間ないんだけど、お茶しない?」


「いや、大丈夫ですw」


「えー、めっちゃお洒落で隠れ家的なカフェ知ってるのにー。スタバってとこなんだけど。」


「ふふwww知ってるしw」


ちなみにここで隣のおばさんも笑ったw


「飲み放題付けるから15分だけお茶しよ!」


「えー、初めて会った人とはお茶できません。」



「今日はありがとう。
楽しかったよ。
じゃあ次は3分後の28分にそこのNEWDAYSの前で待ち合わせよう。
それで2回目だから問題ないよね?」



「ふふw」


隣のおばさんと目が合う。
うっとおしい。


「行こう。」


「まぁ...お茶だけなら。」



そのまま腰に手を回し連れ去る。
さりげなく振り返ると野次馬BBAが驚いたようにこっちを見ていた。
残念だったな野次馬BBA。










声掛けテンプレ②





以前、図書館でナンパした女の声掛けテンプレ


「ここの図書館ってカードすぐ作れるんだっけ?」


彼女と目が合った。
ミリオンダラースマイル。
そして彼女はなぜかメガネを外した。
オープンの合図や。
メガネ外すと意外と可愛かった。


「作れますよ。」


「キミはここの常連なの?」


「いやw
テスト勉強しに来ました。」


「俺もだよ。
てことは大学生か!」


「はい。
○○女子大です。」


「なるほどね。
俺も勉強してて帰ろうと思ったんだけど、凄くタイプだったから声かけた。」


「えw
ここで?www
恥ずかしいw」


「彼氏いるのかい?」


「いや、いないですw」


「それは俺にとっては好都合だよ!」


「www」


「てかそのレポート手伝ってあげようか?
あ、余計時間かかるかw」


「うん、大丈夫ですw」


「てことでキミは今日凄く勉強頑張ったから終わったら打ち上げしよっ!」


「いやいやwww」


「じゃあ終わったら連絡してね!」


「えーw」


「あ、そういやLINE知らねーや。
教えてくれる?
終わったら連絡してよ。」


「LINEならいいですよ!」



番げ




この2件は自分でも評価できるような鮮やかな番げだったなこの2件は。
ナンパの芸術度は78点。
まぁ図書館の案件は連れ出せてないけどこの前準即したから良し。

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